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真庭市 市制施行20周年記念誌
今、そして未来へ
ちゅうさんかん地域活性化の日本のモデルを目指して
対談
おおた のぼる真庭市長、 ただ けんいちろう真庭市市制施行20周年記念誌編集会議委員長
ただ けんいちろう氏のプロフィール
鳥取大学地域学部教授・日本地域経済学会会長
昭和35年(1960年)鳥取県倉吉市生まれ。京都大学経済学部卒業。同大学院博士課程修了。京都府庁で地方財政の実務に携わる。その後、岡山商科大学経済学部教授、同学部長などを経て現職。現場を知る研究者として中国山地等のちゅうさんかんの地域振興などに関わり、著書に「地域再生のブランド戦略」などがある。専門は地域経済学、財政学、地方財政論。
市長になるための思い
多田:市長という職は大変な重責を担いますが、どうして真庭市の市長になろうと思ったのですか。
太田:前職は京都府の副知事でしたが、その時に感じていたことは「日本のちゅうさんかん地域に元気が無い」ということでした。これを何とかしたいという思いは強く、市町村のように地域に直接関わっていきたいと思うようになっていきました。そして、もしその夢に挑戦するのなら、ふるさと真庭だろうと決意し、真庭市長に立候補しました。選挙公約は「元気と希望。ちゅうさんかん地域活性化の日本のモデルを目指す」としました。
多田:平成25年に市長に就任されましたが、どのような事からスタートされましたか。
太田:真庭市は「広域合併」をしました。行政は住民の生活を守る必要があるのですが、広域合併は、行政と住民の距離が遠くなる、市民の顔が見えなくなると考えていました。そこで最初に行ったのが、市民と直接話し合うことでした。私が地域に直接出向く対話の会を始めたところ、地域のコミュニティ団体だけでなく、各種団体や個人的グループからも多くの申し込みがあり、就任後165回を重ねることになりました。市民と語り、教えてもらうことは私の活力源です。
多田:市民とどんなお話をされているかお聞きしたいところですが、国などを相手にした動きを精力的になされていますね。まずそこをお聞かせください。
太田:市長就任前から問題視していたのは、真庭市が他の地域とつながるための高速道路の整備です。中国横断自動車道(岡山─米子線)は平成9年に暫定2車線で開通しましたが、4車線化は見通しが立っていませんでした。ここを何とかしようと、市長就任後、市議会と連携しながら、国・県や関係団体を回り必要性を訴えました。幸いに国が手続きを変更してくれたうえに、政治家や県の力もあり、多くの賛同を得、岡山道、米子道の複線化工事が順調に進んでいます。市内の事だけでなく、広域的な視点がこれからの市政運営に必要です。
多田:もう1つ、全国的に大きな話題となったのが、合併特例期間終了による交付税減額問題についても活動されましたね。
太田:普通交付税は人口を基礎に算定されますので、人口減少が激しい自治体は運営が難しくなります。しかし、市町村合併をすると10年間は旧町村ごとに算定された普通交付税が全額保証されます。ただ、その後段階的に1自治体として計算された交付税に減額されていくルールがありました。しかし、地域の事情によって必要な費用も変わります。地域の状況を考えてくださいと国にお話ししました。
多田:真庭市は9カ町村の合併で、広大な面積を有することとなりました。求められる住民サービスは、面積の広い市町村と狭い市町村では、必要な費用は異なりますね。通常、交付税は、地方固有の財源であり、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、全ての地方公共団体が一定水準を維持できるよう財源を保証するものです。地域の状況を考慮してほしいという意見は理解できます。
太田:私と同じ問題意識を持つ全国の100を超える地方公共団体の長と連携し、地方から声を上げました。結果、一律に交付税を算定するのではなく、地形や面積といった地域の事情を考慮した交付税の算定を行うというルールに改定できました。「地方の力」「地方からのうねり」を実感しました。
国や県へは陳情ではなく提案
多田:真庭市の大幅な収入減を防いだわけですね。これに限らず市長の国・県に対する活動は精力的だと聞いています。
太田:私は、新規事業等を立案した場合、国や県へその必要性を「プレゼン(プレゼンテーション)」してきました。決して「陳情」ではなく、真庭市が進めていこうとする事業は、「日本の中山間地域やひいては日本が活性化するのに役立つ」ということをプレゼンしたわけです。よく東京に行くと言われますが、講演などとともに、そんな活動をしています。
多田:では話を戻します。「市長と話そう」などを通して感じたことを教えてください。
太田:私がイメージしていた真庭市は、暮らしやすく、人と人はつながり、サポートし合う体制ができていると思っていました。しかし、現実には人口減少で、これまで住民を守ってきた「つながりのシステム」が崩れつつあるということを痛切に感じました。真庭市の未来を考えると、今何をすべきか悩みました。
多田:人口減少は真庭市だけの問題ではなく日本全体の課題と言えますが、確かに国勢調査によると平成22年の真庭市の人口が48,964人、平成27年には46,124人と、5年間で2,840人が減ったのは深刻ですね。
太田:人口減少対策として移住補助のような政策を打つ手法もありましたが、短期的視点だけでは解決しません。そのために市民の知恵を結集しようと総合計画策定に向け「ものがたり会議」を発足させました。話し合いの中、私は市民の力という一筋の光を見ることになりました。参加者が元気でした。真庭市の未来を真剣に語り合いました。その議論は、25年後の真庭市は誰もが住みたくなるまちになっていようという思いを込めた「真庭ライフスタイル」という言葉に結実していきます。
多田:真庭ライフスタイルの実現には、どのような施策が必要とお考えになられましたか。
太田:緊急の課題は真庭らしい回る経済の確立でした。収入の確保が暮らしを安定させます。同時に、市内のあらゆる団体が結束して真庭市を未来につなぐ努力をする。そして、市民は自分らしく生き、自分が社会のためにできることは何かを考える。さらに、すべての人が個人を認め合う共生社会の実現。「真庭ライフスタイル」という言葉には、そんな思いが込められています。
多田:真庭ライフスタイルには、市民と市長の思いが込められているのですね。
さて、最初に経済のお話が出ましたが、真庭市の回る経済は全国で注目されています。市民が市外で生産された「もの・サービス」を手に入れると、真庭市からお金が出ていきます。真庭市にはお金が残らず豊かになりません。そうではなく、市内で「もの・サービス」を生み出し、市外で売り、また市内で消費し、市内にお金を残そうとする考え方ですね。
太田:元々は「21世紀の真庭塾」が提唱された考え方で、京都府時代からも勉強していましたが、同感でした。市長就任後も多くの方から同様の意見をいただきました。
持続可能なまちづくりへ
多田:真庭市は、再生可能エネルギーとしてバイオマス発電が有名ですね。
太田:平成23年3月11日、東日本大震災の際に福島第一原子力発電所原発事故が発生しました。京都府は福島県を支援するカウンターパートでしたので、私は原発事故の恐怖を肌で感じました。そして、日本の安全なエネルギー政策に対する思いは強くなりました。市長就任後、関係者の方と話し合いを重ねました。基本は民間事業ですが、関係者多くの方の覚悟をお聞きし、真庭市としてもどうしても成功しなければならない事業だと決心し、今に至っています。
多田:バイオマス発電は、真庭市の木を使ってエネルギーを作り出し、市内外で使うということですから、まさに「地産地消」であり、「回る経済」を創り出しているわけです。さて、平成30年に第1回のSDGs未来都市に選定され、さらにその中からモデル事業に選定されました。バイオマス発電の成功が選ばれた理由でしょうか。
太田:日本最初のモデル事業に選定されたときは驚きました。全国で10自治体選ばれたのですが、県か政令市レベルの都市以外の小規模自治体では北海道と九州に偏り、本州では真庭市だけでした。受賞理由は、もちろん地域資源を活用した再生可能エネルギー(環境)による「回る(経済)」の成功も大きいのですが、それを成し遂げた市民の活動(社会)が評価されたとお聞きしました。「市役所」が支え、「まち」を舞台に「ひと」が活躍することで持続可能なまちづくりを目指す真庭市の思いを国が評価してくれたのだと思います。
多田:今、お話しされた「ひと」「まち」「市役所」という言葉は、第2次総合計画のキーワードですが、市長からも少しお話しください。
太田:これらの言葉には大勢の人の思いが込められていますので、一言で表現するのは難しいですね。総合計画に込めた真庭市独自の定義だとご理解ください。「市役所」は言葉どおりで、あまり説明がいらないと思います。「まち」という言葉には、持続可能な真庭市にするための回る経済などの仕組みや、まちづくりを進める市内の団体・企業の姿も込められています。バイオマス発電も「まち」の仕組みという訳です。「ひと」は全ての市民を指し、みんなが心豊かに暮らせる真庭市になることが目標ですが、特に総合計画に描いた「ひと」とは、そのような真庭市になるために活動する人々をイメージしています。
多田:市長の言われる「ひと」は増えていますか。
太田:増えていますね。この記念誌でも紹介していますが、子育てや高齢者を支える方々は、ここ10年で飛躍的に増えました。地域で活躍する方も、経済・文化・歴史と多方面で増えています。元気な若者も増えました。例えば、飲み歩きイベント「のみいの」は、最初は久世で始まったのですが、市内各地が連携し同様の取組を行っています。若者文化は地域の枠を越え、真庭市全域での活動が当たり前になってきました。市民活動も元気です。例えば家庭ごみの分別です。生ごみの収集は1日175トンの目標としましたが、1日160トンにまで来ました。市民の環境への意識の高まりと実行力は、まさに真庭市の誇りです。
共生社会の実現へ向けて
多田:最初にお話を戻します。市長は「回る経済」を確立させ、持続可能なまちづくりを推し進めると、活躍するひとが生まれてくるとおっしゃいました。お話をお伺いすると、まさにそこに向かっているように思います。そして次の課題が共生社会ですね。今の取組状況をお聞かせください。
太田:私たちが一番大切にしているのは、市民一人ひとりの存在そのものです。人には誰もが個性と能力があり、幸せに生きる権利があります。互いに個人を尊重して応援し合うことが、真庭市が進めたい共生社会です。
多田:どのような事例があるのでしょうか。
太田:例えば、福祉事業所でつくられるお菓子やキーホルダーは、真庭の手軽なおやつやオリジナルデザインのグッズとして、多くの市民に親しまれています。障害者スポーツから一歩先に進んだ「ユニバーサルスポーツ」も広まりつつあります。真庭市で盛んになっているのが、分け隔てなく誰でもが参加できる「ボッチャ」です。障害のある方も、小学生も、高齢者も一緒になってスポーツする姿はとても素敵です。また、この記念誌の表紙や挿絵も福祉事業所の方が描かれたものですが、障害のある方の作品という観点からの採用ではなく、本当に素晴らしいと皆さんが認めるもので、私も感動しました。このようなことは特別なことではなく、もう日常の中で自然に行われています。
多田:これからは、分け隔てが無いことが当たり前の「共生社会」を実現させることが大きな目標になるのでしょうね。
太田:その通りですね。少し補足したいのですが、「共生社会」の実現こそがSDGs未来都市真庭の目指すところです。先ほどは福祉分野のお話をしましたが、他分野でもいろいろなボランティアのかたが登場し大きな成果を上げています。地域社会でも多彩なひとが活躍をはじめ、それを多くの人が応援しています。意識変革のすそ野は広がっています。
多田:次に「こどもまんなか社会」についてお伺いします。現在の真庭市の政策の大きな柱の1つですね。
太田:合併以来、真庭市の最優先政策は常に少子化対策、子育て対策でした。そして令和5年度から「こどもはぐくみ応援プロジェクト」をスタートさせましたが、これは真庭市をあげて「こどもまんなか社会」をつくるための市民運動を展開しようというものです。「ひと」「まち」「市役所」が、いまこそ子どもたちのため、真庭市の未来のために結束して立ち向かっていきます。私も全精力を傾け、子どもたちの未来を共に切り開いていく覚悟です。
多田:ありがとうございます。市長の想いを共有できた気がします。さて、ここでお話を変えさせてください。市長は単身赴任13年目ですね。公務以外ではどのようにお過ごしですか。
太田:趣味は野菜づくりでしょうか。時間があれば畑にいます。心が休まります。できた野菜は食べるか、知り合いに配るという真庭では当たり前の生活をしています。朝夕はもちろん自炊ですが、余りは弁当にして市役所での昼食です。また、月に一度は家族が京都から来るので掃除も頑張っていますが、汚いと言われます(笑い)。私なりの真庭ライフスタイルといったところでしょうか。
多田:プライベートをお聞きして申し訳ありませんでした(笑い)。今後の市政運営への思いがあればお聞かせください。
太田:SDGs未来都市に選定されたときに、京都大学にAIを使った真庭市の未来予測をお願いしました。結果を大まかにいうと2020年代は「ひと」への投資が重要、その後「まち」への再投資が必要となってくるとのことでした。「市役所」が努力し、常に次世代の事を考え「ひと」と「まち」への投資を効果的に行うことが、持続可能なまちづくりだと考えています。
生まれてよかった、住んでよかった
多田:最後に人口減少社会にどう立ち向かうか。決意をお聞かせください。
太田:人口減少は避けようのない事実です。人口減少を少しでも食い止めるため全力を尽くして持続可能なまちづくり、共生社会づくりを進めていきます。一方で、人口減少ばかりを気にして悲観的になる必要はありません。私は「人口×、人や団体の活動量」がまちを支えると考えています。市民皆さんの活動に期待しています。「近き者悦び、遠き者来る」が私の座右の銘です。「生まれてよかった、住んでよかった、来てよかった」まち、皆さんが誇りを持っていただけるまちになっていきましょう。皆さんと共に手を携え、前を向き進んでいきたいと思います。
多田:多彩な「ひと」が活躍し、「まち」が魅力的になる。「市役所」はそのお手伝いをするという姿は、真庭市が「活性化した日本のちゅうさんかん地域のモデル」になりつつあるのだと思います。そしてその中心にいるのが、市民の皆さん「ひと」ではないでしょうか。今日はありがとうございました。
太田:真庭市の発展のため、市民の皆さん、真庭市議会の皆さんと共に挑戦を続けたいと思います。
市長メッセージ
真庭の将来像「こんな真庭でありたい」
真庭市長 太田 のぼる
<未来に永続できる市を目指して>
私は、ふるさと真庭が未来永劫に平和で、安全で、住みやすく、魅力があり、心豊かに和気あいあいと暮らし続けることのできる地域でありたいと願い、尽力してきました。
1960年代からの高度成長政策により、人と金が大都市、特に東京に流れ、過疎と過密が進み、日本全体が歪んで、病んでいます。その中で真庭の生きる道は何か?それは、地域資源を活かして循環させ、付加価値を付けて、その利益をできる限り地域で回し、かつ、環境・経済・地域社会を連携させる施策を推進することです。バイオマス発電、それを生かした産業都市づくり、生ごみと糞尿を一緒に処理し、バイオ液肥を農業に役立てる事業、スマートフォンにより、住民の便利さと真庭市内の商売、交通、観光、健康づくりなどを関連させる「まにあぷり事業」など、例示するに枚挙ありません。その根底にあるのは、市民の幸せであり、その基盤である地域共生社会の実現であります。
<人口減少と将来が不安な日本>
地球の人口は100億人まで達すると推測されていますが、かなりの国は人口減少と高齢化の傾向で、日本はその先端を走っています。加えて、日本は過度な都市集中により異常な過疎・過密状態になり、様々な問題が生じています。東京23区の中古マンション(70平方メートル)取得価格が1億円を超え、都市部ほど様々な格差が拡大し、大都市の生活保護率が高くなる傾向にあります。このように過疎・過密現象は、マイナスに働き、日本の「非効率」、「高負担」体質を作っており、対策に膨大な公費を割いているのです。国民からしても、両地域とも暮らしにくく、世界幸福度ランキングも年々落ちて(55位)きました。
日本のエネルギー自給率15%、食料自給率33%という、先進国の中で異常に低い率もこの都市化現象と関連しており、円とドルの通貨レートなど国際経済変動に一喜一憂する不安定な要因にもなっています。
さらに不気味なのは地震です。日本の陸地面積は、地球上の0.25%ですが、マグニチュード6以上の地震は約20%起こっている地震大国です。今後30年間に起こる南海トラフ巨大地震(マグニチュード8~9)の確率が約60%~90%、首都直下地震(マグニチュード7級想定)が約70%との見解が政府から示されています。東京都人口約1,400万人、首都圏人口約3,800万人の密集地では、人的、経済的被害は想像を絶するものになり、経済の弱体化に伴う超円安によって、輸入するエネルギーや食料費や復興資金が膨大になり、日本が最貧国に陥る恐れがあります。こんな将来が不安定な日本で子どもの出生が増えるでしょうか。人口や経済の分散を図る国土政策をとるか否かに日本の命運がかかっているのではないでしょうか。
<真庭で展開する新たな施策>
政治とは、直面する課題に対応しつつも、先を見据えてその方向を主張し民主的手続きを踏まえてそれを実現させるものです。真庭の影響力は微力ですが、実績を積み上げて、農山村の1つのモデルを創り、大きな流れになる挑戦を行ってきました。この動きは国において高い評価を受けています。
食料とエネルギーの自給率を上げ、環境に配慮し、地域を豊かにすることを目指してきましたが、国の地域経済分析システム(リーサス)を活用してAIで真庭市を分析すると、地域経済循環率がコロナの時を除いて上がっており、「多くのちゅうさんかん地域が人口流出とともに、経済規模を縮小させ、循環率を低下させる中、真庭市が数値を向上させている事実は、同市の産業政策が実体経済にプラスの影響を与えている証左である」と高く評価されています。この見解に確信をもって、現在そして今後、新たな施策を展開してまいります。
-真庭バイオマス発電に加えて、最近立ち上げた電力販売会社(まにわっと)は電力市場から低コストで電力を購入して市内各社に販売しています。令和8年度には農業サービス会社を民間も参画して設立し、農作物の地産外商と地域農業の振興を行っていきます。
大阪大学が真庭高校と共同で農業用ハウスのビニールでありながら太陽光発電ができる次世代太陽電池(OSC)の実証プロジェクトを行っています。発電と作物栽培ができ、真庭高校がその舞台になっており、まさに「三方良し」の取組です。新たな太陽光発電と言われるペロブスカイトは鉛を含むうえ、植物を育成できません。小、水力発電、新たなバイオマス発電に加えてOSCが実用化できれば、地域マイクログリッドシステムにより、安定した安価な電力を受給でき、農業振興など産業振興にも役立ちます。
「まにこいん」は、地域デジタル通貨から出発し、今では「まにあぷり」という市民生活の必需品にまで成長し、加入率も人口当たり7割を超えています。今後は、市民間の会話にも活用できるように機能を充実します。そうすれば、直接民主主義の活性化にもつながり、真庭をDXの先進地にすることにもなります。
高齢化が進む中で、「市民の足」の確保は真庭のみならず、全国の課題です。道路インフラ整備の難しい農山村部では、無人運転バスの普及は簡単に進みません。現在の「まにわくん♡」を幹線として確保しつつ、「チョイソコ」「イコーデ」を進化させ、コミュニティバスなどと組み合わせて、市民がもっと公共交通手段を活用し、交流できるようにすることが大切です。病院通いだけでなく、健康づくり、図書館、文化活動にと、市民交流にもっと活用し、更にスクールバスとの連携を図る工夫をします。鉄道はつながってこそ意義があります。経営の枠組みを改革すること、貨物の輸送にもっと活用するかが日本にとっての課題と考えます。
地域の魅力を高めるには、誰もが個人として尊重されることが基本で、男女の実質的平等、外国人の偏見差別がないこと、そして子どもの権利が尊重されていることが特に求められています。また、中学生の文化やスポーツ活動を地域で行うことを契機にこれらの興隆を推進していきます。図書館は、知の宝庫であり、交流の場です。私達の成長の場として活用していきましょう。
小中学校の教育とともに、県立高校は地域と産業を担う人材を育てる重要な役割を持っています。中学卒業生が減少するからこそ市内外の彼らに選ばれる魅力ある学校に改革していくことが喫緊の課題です。岡山県の主体的な取組に合わせて地元として積極的な支援を行い、形態は変化しようとも将来とも存在感のある高校として存続していくことを強く求めます。
真庭高校旧久世校地を有効に活用することは真庭の未来を拓くことにつながります。岡山大学のサテライトキャンパスは大きな財産です。木材を中心とした地元の産業発展にもつながる研究教育の拠点になるとともに、他大学の学生などの集まる賑やかな若者交流の場としても育てたいものです。
<結びに~明るい展望を持って!>
人口減少時代に、減少抑制に力を入れるとともに、人口減少を前提に、来たい、住みたい真庭を創ることに全力を注いでまいります。働く場所、交通、立地など不利な条件はたくさんありますが、一方では、なりわい塾(塾長澁澤じゅいち氏)の塾生や地域おこし協力隊、農業・林業や企業就職などの移住者をはじめ真庭市に住み、来訪する人々と接していると、外部のかたが真庭を正確に捉えている感じがします。加えて、産業政策に至るまでの地方創生の実績があり、評価されている真庭の現実を見ると、戦略をしっかり持ち、新たな挑戦を続ければ、真庭は更に飛躍できるのではないかと思っています。不幸にして日本列島を襲う地震などの災害があっても、比較的安寧な地域として存続し続けるのが真庭であると確信しています。
鳥瞰的には、日常生活圏があり、その機能を超えた商業、医療機関などの集積する圏域があり、それらを繋ぐ交通、通信のネットワークを進化させる真庭づくりをしていくことです。その推進力は、行政と市民・団体が共同で活動量を増やし、交流人口を拡大させ、人口×活動量の積を大きくする力です。それを前提に、次の世代が自立した個人として個性を生かし、共生する地域社会を築いていけば、明るい展望が拓けることでしょう。
