本文
大切にしたい食育
なぜ「食育」が大事なの?
「食育」がいま重要とされる背景には、食に関連した様々な課題が浮上していることがあります。
栄養の偏りや不規則な食事が原因とされる生活習慣病の増加、若い女性を中心にみられる過度のダイエット志向、高齢者の低栄養や子どもを取り巻く食生活の問題も指摘されているところです。
健康的な食生活を実践し、心と身体の健康を維持する事で生き生きと暮らすために、どの世代であっても食育によって「食べる力」=「生きる力」を育むことが重要になっています。
乳幼児期~食の体験を広げる~
身体が発育し、味覚をはじめ感覚機能、咀しゃく機能等の発達が著しい時期です。
乳児期は食べ物への興味と食べる意欲が芽生えます。食の体験から美味しさやまわりの人と食べる楽しさを覚え、人と一緒に食べることでルールーやマナーを覚える時期でもあります。
乳幼児期は食への興味や関心がもてるよう、様々な食の体験を重ね生涯にわたって必要な「食べる力」の基礎を育むことが大切です。
学童・思春期~食の世界を広げて、自分らしい食生活を実践する~
学童期は、食の体験で得た知識を積極的に試してみようとする力が育っていきます。食を通じて親しい人と関わりを持ち、地域や暮らしとつながる中で、食の楽しさを実感することにより、食を楽しむ心が育ち、食の世界が広がっていきます。
思春期には、習得した知識を使って自分らしい食生活の実践を図ります。社会の一員として人のために役立つ活動や一緒に食べる人への気遣いなど、周りの人と関わり、食の文化や環境に積極的に関わることが楽しいと感じるようになります。また、この時期には、肥満ややせといった将来の健康に影響を及ぼすような健康課題もみられます。自分の食生活を振り返り、改善できる力や、自分の身体を大切にできる力を育みましょう。
青年期・成人期~健全な食生活を実践し、次世代を育てる~
仕事や家庭、子育てなど生活が大きく変わり、他の年代と比べて朝食欠食など食への課題が多い時期です。 自分自身の健康と向き合うだけでなく、家族の健康や生活習慣病予防のために適正な体重の維持、食事のバラ ンスや薄味に心がけることが大切です。また、子育てをしている保護者は子どもに食へ興味・関心を持たせる体験を与えることが大切です。
高齢期~低栄養に注意し、次世代に食文化を伝える~
加齢に伴う身体の変化が生じやすい時期です。単身世帯も多く、孤食や栄養バランスが偏りがちです。
低栄養に注意し、自分にあった食生活の実践により、健康を維持することが大切です。また、積極的に社会参加をして様々な世代の人と交流をもち、子供たちや若い世代に正しい食の知識や行事食、郷土食等の食文化について伝えていくことが大切です。