○真庭市男女共同参画推進条例
平成17年12月26日
条例第307号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 基本的施策(第9条―第17条)
第3章 推進体制(第18条―第20条)
第4章 補則(第21条)
附則
前文
わが国では、日本国憲法に個人の尊厳と両性の平等がうたわれ、男女共同参画社会の実現を21世紀の最重要課題と位置づけ、国際社会と連動した女子差別撤廃条約の批准や男女共同参画社会基本法の制定などを機軸に様々な取組がなされている。
真庭市においても、男女共同参画社会の実現に向けてさまざまな取組がなされてきたが、性別による固定的、差別的な役割分担意識やそれに基づく慣習は、解消されたとはいえない。
急速に進む少子高齢化、高度情報化、核家族化の進行など、社会の変化に対応しながら、男女が共に対等な立場で個性と能力を発揮し、さまざまな分野の活動に参画する社会づくりを進めることが、活力あふれる地域を構築し、真庭市躍進の原動力となる。
ここに真庭市は、市、市民、事業者の協働による男女共同参画社会の実現を決意し、その基本理念と総合的、計画的な取組の方向を示し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、市、事業者及び市民の責務を明らかにし、男女共同参画の推進について必要な事項を定めることにより、男女の人権が尊重され、かつ、男女が性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮し、一人一人の価値観に基づいた多様な生き方を選択することができる男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画社会 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思により社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、共に責任を担う社会をいう。
(2) 事業者 法人その他の団体及び事業を営む個人をいう。
(3) 積極的改善措置 様々な分野で、活動に参画する男女間の格差を改善するため、必要な範囲内で、男女のいずれか一方に対し、活動に参画する機会を積極的に提供することをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進する。
(1) 男女の人権を尊重し、性別に起因した暴力が根絶され、直接的にも間接的にも性別による差別的な取り扱いを受けることなく、個人としてその能力を発揮する機会が確保されること。
(2) 男女がお互いに、家庭生活、職業生活などの社会生活での活動に対等な立場で参画し責任を分かち合うこと。
(3) 男女が、社会での活動を自由に選択できるよう、できる限り、社会の制度や慣行の影響が及ばないよう配慮すること。
(4) 男女が、対等な構成員として、市の政策や、事業者その他の団体で、方針・計画の立案と決定に共同して参画する機会が確保されること。
(5) 男女が、互いの性を理解し合い、性と生殖に関する健康と権利が尊重されること。
(6) 男女が、対等な立場で自ら社会活動に参画し、活力ある新たな地域社会を創造すること。
(7) 男女平等の推進は、国際社会での取組と密接な関係を有していることから国際的な交流と協力の下におこなわれること。
(市の責務)
第4条 市は基本理念に従って、市の主要な政策として、男女共同参画推進に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有する。
2 市は、市民、事業者、県及び他の市町村と連携し及び協力して前項の施策を実施しなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は基本理念に従って、性別による差別的取扱いを排除し、家庭、職場、学校、地域その他社会のあらゆる分野で、固定的な役割分担意識に基づく制度及び慣習を改善するよう努めるとともに、市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は基本理念に従って、その事業活動に関し、男女共同参画を推進するとともに、市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は基本理念にのっとり、男女が地域における活動に対等に参画する機会を確保し、家庭における活動その他の活動と両立して行うことができる職場環境と体制を整備するよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止等)
第7条 すべての人は、家庭、職場、学校、地域等その他のあらゆる分野で、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 性別を理由とする差別的取扱い
(2) 優位な力関係を背景に、相手の意に反し、性的な言動により、不快にさせたり、不利益を与える行為
(3) 配偶者等に身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為
(情報の表示に関する留意)
第8条 すべての人は新聞、雑誌、ポスター、電子文書等により情報を表示する場合に、性別による固定的な役割分担、暴力を助長させ連想させる表現や、不必要な性的な表現を行ってはならない。
2 市は、市民に提供される情報を市民が分析し、評価する能力の向上を図るため啓発活動を行う。
第2章 基本的施策
(基本計画)
第9条 市長は、男女共同参画推進の基本的計画(以下「基本計画」という。)を策定する。
2 基本計画は次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 男女共同参画に関する総合的かつ長期的な目標とその施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、基本計画を策定するときは、市民と事業者の意見を反映するよう努める。
4 市長は、基本計画を策定したときは、速やかに公表する。
5 市長は、社会情勢の変化に対応し、必要に応じて基本計画の見直しをする。
6 前3項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(積極的改善措置)
第10条 市は、政策決定の機会その他の活動で、積極的改善措置をとるよう努める。
2 市長その他の執行機関が、審議会等の委員を任命し、又は委嘱するときは、積極的改善措置をとり、男女の偏りが生じないよう努める。
3 事業者等はその事業活動に関し、積極的改善措置をとるよう努めるものとする。
(報告)
第11条 市長は、男女共同参画施策の実施状況等を必要に応じて議会に報告するとともに、市民及び事業者等に公表するものとする。
(教育の推進)
第12条 市は、学校教育及び社会教育(職場における学習を含む。)の場で、男女共同参画に関する教育の推進に努めるものとする。
(調査研究)
第13条 市は、施策の策定や実施のために必要な調査・研究を行うとともに、その成果の普及に努める。
(民間活動の支援)
第14条 市は、市民及び事業者が行う男女共同参画の推進に関する自主的な活動に対し、情報の提供その他必要な支援を行う。
(家庭生活等と職業生活の両立支援)
第15条 市は、男女がともに、家庭生活及び地域生活と職業生活とを両立できるよう必要な支援を行う。
(苦情の処理)
第16条 市は、市の男女共同参画施策についての市民や事業者からの苦情に適切に対応する。
(報告の徴収)
第17条 市長は、男女共同参画の促進のために必要があると認めるときは、事業者に対し、男女の就業状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
第3章 推進体制
(女性相談員)
第18条 市は、第7条に規定する行為を受けた者の相談に応じ、必要な情報の提供や、支援を行うため、女性相談員を設置する。
(推進体制の整備)
第19条 市は、市、市民、事業者が協働して男女共同参画を推進するための拠点の整備に努めるものとする。
2 市は、市の施設相互間の連携体制の整備に努めるものとする。
3 市は、関係部局の連携により、男女共同参画に関する施策を総合的に企画、調整し、実施するため市長を長とする推進体制を整備するものとする。
(推進委員会)
第20条 市長は、真庭市附属機関設置条例(平成31年真庭市条例第16号)に規定する真庭市男女共同参画推進委員会に諮って男女共同参画基本計画の策定及びその他重要事項に関する施策を実施するものとする。
第4章 補則
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 真庭市女性相談員設置規則(平成17年規則第190号)により設置された女性相談員は第18条の規定により設置されたものとみなす。
3 真庭市男女共同参画推進委員会設置規則(平成17年規則第187号)により設置された真庭市男女共同参画推進委員会は第20条の規定により設置されたものとみなす。
附則(平成31年3月25日条例第16号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。