○真庭市火災調査規程

平成17年3月31日

消防本部告示第3号

目次

第1章 総則(第1条―第14条)

第2章 火災時の調査(第15条―第20条)

第3章 原因の調査(第21条―第30条)

第4章 損害の調査(第31条―第35条)

第5章 資料収集等(第36条―第41条)

第6章 調査書類の作成及び報告(第42条―第45条)

第7章 証明及び回答(第46条―第48条)

第8章 雑則(第49条―第51条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 火災の原因及び損害の調査(以下「調査」という。)については、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)その他の法令等に特別の定めがある場合を除くほか、この告示の定めるところによる。

(火災の定義)

第2条 この告示において「火災」とは、人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

(調査の目的)

第3条 調査は、全ての火災の原因及び損害を明らかにし、将来の火災予防施策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

(調査の区分)

第4条 調査は、火災の原因の調査(以下「原因調査」という。)並びに火災及び消火のために受けた損害の調査(以下「損害調査」という。)に分けて行うものとする。

2 原因調査は、次に掲げる事項について究明するために行うものとする。

(1) 出火原因、出火箇所、発火源、経過及び着火物

(2) 火災の性状、煙の流動状況、延焼経路及び延焼拡大の要因

(3) 初期消火等、火災の発見、初期消火及び通報の状況

(4) 避難状況等、火災現場における避難者、要救助者の行動及び救出救助状況等

(5) 防火管理の状況

(6) 消防用設備等の設置使用状況

(7) その他消防行政上必要な事項

3 損害調査は、次に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。

(1) 焼き損害 火災により焼けた物及び熱により破損した物等の損害

(2) 消火損害 消火活動により受けた水損、破損、汚損等の損害

(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた前号各号以外の損害

(4) 人的損害 火災に起因して生じた人的損害及び負傷者

(5) その他の損害 煙害等による損害

(火災件数)

第5条 火災の件数は、原則として、一つの出火点から拡大したもので、出火に始まり鎮火するまでを1とする。

(火災の種類)

第6条 火災の種別は、次の区分によるものとする。

(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災

(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災

(3) 車両火災 原動機によって運行することができる車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災

(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災

(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災

(6) その他の火災 前各号に該当しない火災

2 前項各号の火災が複合するときは、焼き損害の大なるものの種別による。ただし、その態様により、焼き損害の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。

(調査の責任)

第7条 調査の責任者は、消防署長(以下「署長」という。)とする。

2 消防長は、調査の遂行上必要があると認めるときは、署長に対し指示を与えるものとする。

(調査本部の設置)

第8条 消防長は、消防行政上特に必要があると認める火災については、調査本部を設置するものとする。

2 前項の規定により調査本部を設置したときは、消防長が本部長となり火災調査の指揮に当たるものとする。

3 調査本部の組織、任務分担等は、その都度消防長が定めるものとする。

(調査員)

第9条 消防本部及び消防署に調査員を置く。

2 署長は、火災の規模に応じた火災調査班を編成し、調査員に調査計画を立案させ、調査を実施しなければならない。

3 前項の火災調査班は、原則として調査員と火災防御に従事した職員(以下「消防隊員」という。)の中からその都度指名し、編成するものとする。

(主任調査員)

第10条 消防長は、主任調査員を任命するものとする。

2 主任調査員は、火災調査に関する報告書類を取りまとめなければならない。

3 主任調査員は、調査技術と能力の向上を目指した教養計画等を立案しなければならない。

4 主任調査員は、円滑な火災調査を進めるため必要があるときは、火災調査の現場において火災調査班の指導に当たるものとする。

(調査員の心得)

第11条 調査員は、常に火災の現象、関係法令、社会の動向その他調査に必要な知識を習得するとともに、調査技術を研究し、調査能力の向上に努めなければならない。

2 調査員は、調査に当たり次の事項を守らなければならない。

(1) 消防法その他関係法令を遵守し、調査上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

(2) その職務を利用して関係者の民事紛争に関与してはならない。

(3) 警察署その他関係機関と緊密な連絡を保ち、相互に協力して調査に当たらなければならない。

(調査の原則)

第12条 調査は、常に事実の確認を主眼とし、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断により事実の究明に努めなければならない。

(調査の着手)

第13条 調査は、火災の覚知と同時に着手し、火災時及び鎮火後にわたって行わなければならない。

(火災調査書)

第14条 副署長又は分署長は、火災調査が完了したときは、火災調査書(様式第1号様式第1号の2様式第1号の3)を作成しなければならない。

第2章 火災時の調査

(火災状況の見分)

第15条 消防隊員は、火災現場に出場したときは、直ちに火災状況を見分しなければならない。

2 前項の火災状況の見分を行ったときは、必要に応じその状況を火災状況見分書(様式第2号)に記載するものとする。

(情報の収集)

第16条 消防隊員は、火災現場において火災の早期発見者等関係者に聞込調査を行い、必要な情報の収集に努めなければならない。

(消防活動状況)

第17条 消防隊員は、消火活動の情報及び収集した情報等について消火活動状況書(様式第3号)を作成しなければならない。

2 調査員は、火災現場及び消防隊の活動状況を明らかにするため、現場付近見取図(様式第4号)及び火災防御図(様式第5号)を作成しなければならない。

(防御中の現場保存)

第18条 消防隊員は、出火場所付近の迅速な消火を心掛け、出火前の状態が推測できるよう、原状の保存に努めなければならない。

2 防御活動のためやむを得ず出火場所付近の物件の移動又は破壊をしようとするときは、原状が分かるような措置を講じなければならない。

(死者の取扱い)

第19条 消防隊員は、現場において死者を発見したときは、速やかに現場最高指揮者に報告しなければならない。

2 前項の報告を受けた現場最高指揮者は、警察官等に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。

(現場即報)

第20条 現場最高指揮者は、特異火災等消防行政上必要と認める火災については、直ちに署長に報告し、指示を受けなければならない。

第3章 原因の調査

(現場見分の原則)

第21条 調査員は、火災現場その他関係のある場所に立ち入り、詳細に見分し、証拠資料の発見収集に努めなければならない。

2 調査員は、現場見分を行い、実況見分調書(様式第6号)を作成しなければならない。

3 調査員は、現場見分において焼損物件の詳細な見分が困難なとき又は実験等を必要とするときは、立証のための調査を行い、鑑識見分調書(様式第6号の2)を作成しなければならない。

4 現場見分は、関係者の立会いの下にこれを行わなければならない。

(鎮火後の現場保存)

第22条 署長は、次により鎮火後の現場保存をしなければならない。ただし、警察官その他関係機関によって現場保存がなされている場合は、この限りでない。

(1) 現場保存区域は、警察官等と協議して決定すること。

(2) 現場保存区域は、必要最小限度の範囲にとどめること。

(3) 現場保存区域は、縄張又は帳札等で表示すること。

2 現場保存区域には、関係者といえどもみだりに出入りさせてはならない。

3 現場保存区域は、調査の進行に伴い順次縮小解除するものとする。

(図面及び写真)

第23条 調査員は、現場見分内容を明確にするため図面及び写真により記録しなければならない。

2 図面の作成には現場図面用紙(様式第7号から様式第7号の6までの様式のうち、必要と認められるもの)を用いるものとする。

3 現場写真の作成には現場写真用紙(様式第8号)を用い、必要な説明を記載しなければならない。

4 現場写真には、必要に応じて現場写真撮影方向図(様式第9号)を添付するものとする。

(質問)

第24条 調査員は、火災の原因究明及び被害状況の把握のため必要があるときは、火元責任者、火気取扱者その他関係者に対し質問を行い、資料の提出を求め、事実の確認に努めなければならない。

(任意供述の確保)

第25条 調査員は、質問を行うときは強制的手段を避け、場所、時間等を考慮し、被質問者の任意の供述を得るよう努め、みだりにその供述を誘導してはならない。

(伝聞の排除)

第26条 調査員は、伝聞による供述を排し、事実の供述を得るよう努めなければならない。

(質問調書)

第27条 調査員は、質問調書(様式第10号)に被質問者の供述を正確に録取しなければならない。

2 火災の状況によっては、前項の質問調書に代えて聞込書(様式第11号)によることができる。

(原因の判定)

第28条 火災原因は、火災状況の見分、実況見分、関係者等の供述、実験その他関係資料を総合的に検討して判定しなければならない。

(火災原因判定書)

第29条 調査員は、前条の規定により原因を判定したときは、火災原因判定書(様式第12号)を作成しなければならない。

2 前項の火災原因判定書には、総合的結論と原因判定の経過を系統的かつ明確に記載し、それぞれの事実を立証する証拠資料を明示することとする。

(原因調査の概要)

第30条 調査員は、火災原因の調査が完了したときは、その原因の概要を火災原因調査書(様式第13号)に記載しなければならない。

第4章 損害の調査

(り災物件の調査)

第31条 署長は、調査員に現場その他関係のある場所に立ち入って関係者に質問させ、り災物件を詳細に調査させて正確な損害の把握に努めなければならない。

(火災損害届)

第32条 署長は、損害額決定のための資料として関係者から法第32条第1項又は法第34条第1項の規定により火災損害届(様式第14号様式第14号の2様式第14号の3)の提出を求めるものとする。

(損害額の決定)

第33条 署長は、調査により把握したり災物件及び火災損害届を総合的に検討し、損害額を決定しなければならない。

2 り災物件の損害額決定については、り災した時点における時価又は原価によるものとし、その算出に当たっては、火災報告取扱要領(平成6年消防庁長官通知消防災第100号。以下「取扱要領」という。)に基づき、これを実施するものとする。

3 前項の損害額の算出については、原則として損害査定書(様式第15号から様式第15号の5までのいずれか)を用いるものとする。

(死傷者の調査)

第34条 署長は、火災に起因して死傷者が発生したときは、その状況を調査し、死者及び負傷者調査票(様式第16号様式第16号の2)を作成しなければならない。

(損害調査の概要)

第35条 調査員は、火災による人的損害及び物的損害の調査が完了したときは、その概要を火災損害調査票(様式第17号)に記載しなければならない。

第5章 資料収集等

(官公署への照会)

第36条 署長は、法第32条第2項の規定により官公署に対し通報を求めるときは、火災調査事項照会書(様式第18号)によるものとする。

(資料の提出)

第37条 署長は、調査のため必要があると認める資料については、できる限り関係者に対し任意の提出を求めるものとする。

2 署長は、法第32条第1項又は法第34条第1項の規定により資料の提出を命ずる場合は、資料提出命令書(様式第19号)によるものとする。

(所有権の確認)

第38条 署長は、前条の規定により資料の提出を求め、又は命じたときは、調査資料提出書(様式第20号)により所有権放棄の有無を確認しておかなければならない。ただし、特に必要がないと認められる場合は、この限りでない。

2 署長は、調査資料提出書により資料が提出されたときは、調査資料保管書(様式第21号)を発行しなければならない。

(資料の保全)

第39条 署長は、資料の保管に当たっては証拠価値を毀損しないよう細心の注意を払い、慎重に保存しなければならない。

(保管資料の管理)

第40条 署長は、資料を保管するときは、資料保管台帳(様式第22号)に記載し、調査が終了するまで管理しなければならない。

(鑑定の依頼)

第41条 署長は、調査資料が学識経験者又は関係官公署の鑑定を必要とするときは、鑑定依頼書(様式第23号)により鑑定を依頼することができる。

第6章 調査書類の作成及び報告

(書類作成上の原則)

第42条 調査書類(以下「書類」という。)の作成に当たっては、分かりやすい文章で事実をありのままに表現するよう努めなければならない。

2 調査が完了した書類は、消防本部警防課において保存管理するものとする。

3 書類の作成に当たっては、この告示に定めるもののほか、別に定める取扱要綱に基づき作成しなければならない。

(署名及び押印)

第43条 書類には原則として作成者の所属、階級及び氏名を記載し、押印しなければならない。ただし、関係者から提出された書類については、この限りでない。

2 書類には、各葉ごとに作成者の割印をしなければならない。

(火災報告)

第44条 副署長又は分署長は、火災調査が完了したときは、第14条の火災調査書に次に掲げる書類を添付し、報告しなければならない。

(1) 火災状況見分書

(2) 消火活動状況書

(3) 現場付近見取図

(4) 火災防御図

(5) 実況見分調書

(6) 鑑識見分調書

(7) 図面

(8) 現場写真

(9) 質問調書

(10) 火災原因判定書

(11) 火災原因調査書

(12) 火災損害調査票

(13) 火災損害届

(14) 損害査定書

(15) 死者調査票

(16) 負傷者調査票

(17) その他調査上必要な書類

2 副署長又は分署長は、前項に規定する火災報告を火災覚知の日から90日以内に作成し、報告しなければならない。ただし、期日までに報告できないときは、先にその概況を報告し、調査終了後その結果を報告しなければならない。

3 第1項に掲げる書類は、火災の種別、規模等によりその一部を省略することができる。

(報告内容の変更)

第45条 署長は、前条の規定により報告した書類の内容について変更する必要が生じたときは、火災調査変更報告書(様式第24号)により消防長に報告しなければならない。

第7章 証明及び回答

(り災証明)

第46条 署長は、火災のり災者及び関係者からり災証明願(様式第25号)により願出があったときは、り災証明書(様式第26号)を発行することができる。

2 前項のり災証明書は、原則として実況見分が終了した後発行するものとする。

(り災証明の処理)

第47条 署長は、前条のり災証明書を発行したときは、証明書処理簿(様式第27号)に記入し、発行の状況を明確にしなければならない。

(火災原因に関する回答)

第48条 署長は、火災原因その他調査事項について、捜査機関その他関係機関から照会があったときは、その内容、目的その他必要な理由について審査し、支障がないと認めたときは、消防長の承認を経て回答するものとする。

第8章 雑則

(継続調査)

第49条 署長は、調査の結果原因不明として報告した火災にあっては、継続調査を行い、その後原因が判明したときは、その状況を消防長に報告しなければならない。

(準用)

第50条 この告示は、爆発その他これらに類する事故について準用する。

(その他)

第51条 この告示の実施に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

この告示は、平成17年3月31日から施行する。

(平成21年2月2日消本告示第44号)

この告示は、平成21年4月1日から施行する。

(平成24年3月26日消本告示第1号)

この告示は、平成24年4月1日から施行する。

(平成28年3月3日消本告示第3号)

この告示は、平成28年4月1日から施行する。

(令和3年(2021年)3月8日消本告示第3号)

この告示は、令和3年4月1日から施行する。

(令和3年(2021年)8月5日消本告示第7号)

この告示は、公布の日から施行する。

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真庭市火災調査規程

平成17年3月31日 消防本部告示第3号

(令和3年8月5日施行)

体系情報
第11編 災/第2章
沿革情報
平成17年3月31日 消防本部告示第3号
平成21年2月2日 消防本部告示第44号
平成24年3月26日 消防本部告示第1号
平成28年3月3日 消防本部告示第3号
令和3年3月8日 消防本部告示第3号
令和3年8月5日 消防本部告示第7号